初めに
いままで調子良く原付に乗れてたのに
なぜか最近アイドリング途中や減速時にエンストしてしまうという方。
それは、カーボン噛みという症状かもしれません。
カーボン噛みは、50cc原付であればどんな車種でも、ある日突然発症するもの。
だいたい走行距離20000kmを超えたあたりから初期症状がちらほら出始めます。
特に、
日頃から「12ヶ月毎の定期点検」「定期的なオイル交換」「消耗品の交換・メンテナンス」しているのに
急に不調になったという方は、まず第一にこのカーボン噛みを疑ってください。
この記事では、そのカーボン噛みについてと予防法、解決方法・修理法を動画付きで解説して行きます。
カーボン噛みとは…
カーボン噛みとは
カーボン噛みとは、
要するに、ガソリンの揮発ガスを充満させ爆発させる部屋の出口が
度重なる使用によって蓄積したカーボン(すす)によって塞がらず隙間ができて
そこからガスが漏れて燃焼不良&動力が生み出せない状態ということです。
カーボン噛みを引き起こした原付は、
キックがとても軽くなっていて始動できません。
なぜなら、エンジン内が密閉→圧縮→爆発(燃焼)という流れができずに
燃料室中がガス漏れでスカスカになっているからです。
このカーボン噛みは、突然やってきます。
燃焼室内に溜まったカーボン(すす)の塊が突然剥がれて、
密閉する時に動く栓と排気口に挟まると発症します。
一度カーボンが栓と排気口にはさまると、
燃料室はカーボンがあることで密閉ができずにガスが漏れ、燃焼できません。
低速走行が多い50cc原付ではよくある症状で
どんな人でもカーボンメンテナンスをしていないと引き起こす症状です。
そして、低速走行しかできないゆえにカーボン(すす)が溜まりやすいのです。
なので、カーボンメンテナンスを今までしていなかった方は、
この記事を読んだら、今日この日からカーボンメンテナンスを始めてくださいね。
動かなくなる前に、しっかり予防をして行きましょう。
次では、なぜカーボン噛みの症状を紹介して行きます。
カーボン噛みの症状
カーボン噛みの症状は、
「信号待ちのアイドリング中に突然エンスト」
「アクセルを緩めると突然エンスト」
「力のない加速と低速感」
「アイドリングが不安定」
「アクセルとセルを同時に回さないとエンジンが始動しない」
この5点です。
私は、初めは走行していてアクセルを緩めて信号で停車しようとした時にエンスト。
そのあと、エンジンはセルモーターではすぐにつかず、しばらく始動しませんでした。
そこで、スロットルを少し回してセルを回したら少し始動しそうな息継ぎをしだしたので
しばらく続けていたら無事始動という症状。
それ以外に、私は原付に毎日乗るようにしているのですが、
ある日突然、エンジンを始動させようとセルを回したのにエンジンがつかない。
セルが「キュッキュッキュッ」と回るだけ。
そこでアクセルを回しながらしばらくセルを回すとやっとエンジンがつきました。
これらの症状は特に、20000km超えたあたりから
ちょくちょく起こるようになってきます。
これが、カーボン噛みの症状です。
アクセルを回しながらセルを回すことでエンジンがつくのは、
燃焼室の栓と排気口にはさまっていたカーボンの塊が取れたことで動くようになったからです。
でも、このエンジンの状態だとまた再発します。
なぜなら、エンジンルーム内はカーボン(すす)だらけだからです。
では、なぜエンジンルームがカーボン(すす)だらけになってしまうのか。
次は、その原因を見て行きます。
カーボン噛みの原因
カーボン噛みが起こる原因は、「暖気運転をしない」です。
暖機運転をすると、エンジン内が温まりカーボン(すす)が発生しにくくなります。
エンジン内が温まっていると、ガソリンがしっかり燃焼されて
カーボンがたまりにくくなるからです。
逆に、エンジンが温まっていないと
ガソリンの不完全燃焼が起きやすく、結果カーボン(すす)が普通より多めに発生してしまいます。
とはいえ、暖機運転をしっかりしてもカーボンは少なからず発生します。
暖機運転をしてても完全に防ぐことはできないということだけ覚えておきましょう。
次は、そんな走行距離を重ねるたびに、年月が経つにつれて溜まっていくカーボンを
溜めにくくするカーボンメンテナンス(予防方法)を見て行きます。
カーボンメンテナンスの方法
暖機運転
原因のところでも触れましたが、まずは暖機運転です。
暖機運転の正しい仕方は、Youtuberさんの「はるめでぃあチャンネル」さんが紹介してくださっています。
手順としては、エンジンを始動させたあと
軽くアクセルを10秒ほど開けアイドリングを安定させます。
そのあと、1分ほどアイドリングをしてエンジンを温めます。
1〜2分ほど温めたあとに、アクセルを少し回してエンジンの回転速度が下がらなければ、
これで暖気運転は完了です。
乗る時はしっかり暖機運転をしましょう。
カーボンクリーナーを使う
次は、カーボンクリーナーである洗浄剤を使っていくという方法です。
暖機運転をしっかりしても、
カーボンというのはどうしても多少なりとも発生してしまいます。
原付を2万・3万kmを超える使用や、5万kmなど長持ちさせたい方は、
定期的に上記の洗浄剤「Fuel 1」を使ってあげましょう。
上記掲載の洗浄剤は、2スト・4ストの原付でも使えます。
このFuel 1は、ガソリンに1%添加して使う洗浄剤です。
この洗浄剤は、エンジンルームの洗浄をしてくれる洗浄剤で
主にカーボンなどを溶かして排出してくれる働きがあります。
「Fuel 1」の効果については、以下の動画でYoutuberさん「MOTO-ACE Vlog」さんが
実験してくれています。
初めは、コテコテだったカーボン汚れがFuel 1を使って走行距離数がかさむごとに
綺麗に洗浄されていっている様子を見ることができます。
私も実際に使いましたが、
50cc原付で回数は2回使用の400km走行で様子見してみました。
400km走行後、Fuel 1を混ぜずに走行した結果、
アイドリングは安定し、カーボン噛みのエンストも嘘のようになくなりました。
また、気持ち2〜5km/L燃費も向上。
確かな効果を実感できました。
このFuel 1の使い方は、
給油時に始め、タンク内と給油予定のガソリンの量に対して
濃度1%未満になるように燃料タンクに入れます。
計量目安として、Fuel 1容器のキャップ1杯は5ml/杯です。
ガソリン1Lであれば、キャップ2杯までが限度です。
そのあと、ガソリンを給油。このときにガソリンと燃料タンク内のFuel 1が混ざり合います。
あとは、普段通り運転しするだけです。
走行距離が1万km超えなどの原付であれば、初回合わせてこれを連続2回行います。
2回使ったあとは、4000km毎に一回づつ使うのが、洗浄頻度的にはいいとされています。
私の原付ジョルノは燃料タンクが4.5Lなので、これをわかりやすく4Lとした場合、
Fuel 1を1本(200ml)買うだけで5回分になります。
カーボン噛みの初期症状が出始めた方は、
ぜひ回数重ねて試してください。
コンディショナーを使う
Fuel 1でクリーンアップが済んだら、いつまでもその綺麗さを保ちたいですよね。
どうしてもカーボン(すす)を発生させたくないという方は、
上記の掲載のコンディショナー材「Fuel 2」を入れます。
こちらもガソリンに添加して使うもので、
このFuel 2もガソリン給油時に添加します。
添加濃度は、ガソリンに対して1%未満になるように添加します。
このFuel 2の効果は、カーボン(すす)を発生させない点と
燃料での潤滑性を高めてエンジンを保護する役割があります。
コンディショナー材なので、エンジン保護の役割が強いです。
そしてFuel 2は、Fuel 1と併用可能です。
併用する場合は、どちらも共にガソリンに対して各1%未満。
なので、2つ合わせると濃度は、ガソリンに対して2%未満での使用になります。
普段のカーボンメンテナンスとして、こちらも使って行きましょう。
カーボン噛みの修理方法
その場でできる応急処置
キックでカーボンを砕く
カーボン噛みは突然起こると前章で紹介しましたが、
もしカーボン噛みを発症してしまった時の応急処置方法を
Youtuberさんの「げんチャンねる」さんが紹介してくださっています。
その方法は、「キックで詰まったカーボンを砕く方法」
やり方は、
セルモーターを回しながら少しずつアクセルを開けて行きます。
すると、あるアクセル開度でわずかばかりの始動しそうな息継ぎがあります。
その始動しそうな息継ぎをしたアクセル開度を維持しながら、
次はキックで始動させていくという手順です。
げんチャンねるさん曰く、
セルモーターよりもキックの方がエンジン内の回転数が多く、
排気の勢いも強いため
噛み込んだカーボンを砕いて排出できる可能性が高いそうです。
この動画では、長期戦の苦闘の末、
見事カーボン噛み状態から原付を復旧させることができました。
ただ、応急処置であるためまた再発する可能性は高いので注意が必要です。
なぜなら、エンジンルーム内に溜まった他のカーボンがまた剥がれて排気口にはさまるからです。
この状態では、またすぐに再発することから
早急にカーボンメンテナンスを行うか、
次に紹介する方法でエンジン内を綺麗にする必要があります。
次は、具体的なカーボン噛みの修理方法を紹介して行きます。
キャブクリーナーで洗浄
バイク屋さんに依頼
応急処置をして始動後、
カーボンメンテナンスをしても再発をしてしまう重症車は
バイク屋さんでエンジン内を清掃してもらう必要があります。
その方法が、上記掲載のキャブクリーナーでエンジンルーム内の清掃です。
動画は、Youtuberさんの「Ride on 2nd Motors」さんが解説してくださっています。
キャブクリーナーやエンジンコンディショナーでカーボンを溶かし、
そのあとアクセルを開けて排出するという方法です。
エンジンに直接作用させれるため、
間接的に作用するカーボンメンテナンスよりも綺麗に除去できます。
また、動画ではすぐ作業されていましたが、
実際はクリーナーを噴霧してから漬け込む時間があるため、
作業としては4時間ほどかかるのが一般的です。
洗浄料金は…
洗浄料金は、
ディーラーさんであれば、「2000〜3000円」
街なかの個人バイク屋さんであれば、お店にもよりますが「5000〜10000円」
大手バイク屋さんは、取扱がないためできないとのことでした。
次は、キャブクリーナーで洗浄してもすぐ再発してしまう、
もしくは治らないという重症車は次の修理方法になります。
オーバーホールして除去
バイク屋さんに依頼
カーボンメンテナンスも効果がなく、キャブクリーナーで洗浄してもらっても
すぐ再発してしまったり、動かないという原付は、「オーバーホール」が必要になってきます。
オーバーホールとは、原付のエンジンをバラバラに分解して
汚れがある隅から隅まで全て綺麗に清掃する作業になります。
オーバーホール時のカーボン除去の一部始終をYoutuberさんの「ss1977 motorcycles」さんが
紹介してくださっています。
これは、カーボン噛みを実際してしまったエンジンの除去作業シーンです。
カーボンがぎっしりついてしまって状態が悪いことを見て取れます。
本来であれば、ここまでになる前に日頃からメンテナンスをしてあげたいものです。
オーバーホールでの清掃料金は…
オーバーホールは、もうディーラーさんにしか頼めないので
ディーラーさんに依頼しましょう。
その時の料金は、私が聞いたらだいたい「7〜8万円」かかるそうです。
原付でもなんでもそうですが、
一度故障してしまうと修理費が高額になります。
こうなる前に、
常日頃から暖機運転やカーボンメンテナンスをして行きましょう。
まとめ
今日からカーボンメンテナンスを始めましょう
いかがだったでしょうか?
原付をしっかりメンテナンスしている方で抜けがちなのが
「カーボンメンテナンス」
カーボン噛みは実は、「12ヶ月毎の定期点検」「定期的なオイル交換」「消耗品の交換・メンテナンス」など
しっかりメンテナンスしている方だから起こりうる症状No.1だそうです。
だいたい2万kmを超えたあたりで発症してくるカーボン噛み。
この記事を読んだあなたは、
今日からカーボンメンテナンスを始めればきっと
走行距離5万kmや自己最高走行記録を更新できるかもしれません。
ぜひ、大切な原付をいつまでも乗り続けるためにも
カーボンメンテナンスを今日この日から始めてみてくださいね。